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エイコサノイドの活性にはフィッシュオイルが効果的

1月号で、重要な3つのホルモンは食事のバランスによってコントロールできるとお伝えしました。それぞれのホルモンが何からコントロールされているかを補足致します。エイコサノイドは、食事から摂取される必須脂肪酸によって、バランスをコントロールされています。インスリンは炭水化物、グルカゴンはたんぱく質により、それぞれコントロールされています。そして、この3つのホルモンは単独で働くのではなく、それぞれが相関的に働いているのです。
  このようなホルモンシステムを真の健康状態を保つ適切な領域に維持するのが、抗炎症食事療法であるゾーンプログラムの目指す場所となりますが、実際に保たれているかどうかは、特定の血液検査によって知ることができます。
  ホルモンシステムを理想的な適正ゾーンに保つ為に、一番重要な鍵となるのが、エイコサノイドのコントロールになります。このエイコサノイドホルモンは、善玉と悪玉があります。この善玉エイコサノイドと悪玉エイコサノイドのバランスがとれていないと、ホルモンシステムが狂ってしまい、真の健康状態を保つことはできません。
このエイコサノイドのバランスも重要ですが、何よりこの悪玉エイコサノイドが増えてしまうと病気や老化の原因になってしまうとても重要なホルモンにもかかわらず、現代社会においての食事を見ると、悪玉エイコサノイドを増やすような食事に偏りすぎているように思われます。エイコサノイドの生成に関しているのは主に脂肪酸ですが、その中でも、悪玉エイコサノイドを増やす食事はどういうものかと単純に考えれば、サラダ油やマーガリンといったリノール酸がたっぷりと含まれた食事です。こういった、リノール酸たっぷりの食事が現代人の健康を蝕む元凶と言われています。
 一方、善玉エイコサノイドを生成するのに役立つのが、魚の油(フィッシュオイル)から摂れるDHAやEPAといった脂肪酸です。従って食生活のなかでフィッシュオイルをたくさん摂取することが善玉エイコサノイドを活性させるポイントとなります。そして、ホルモンを適切なゾーンに保てるようになり、ひいては慢性病の改善や完全な健康状態の維持へとつながるのです

  • 2015年02月26日(木)19時57分

<ゾーン抗炎症プログラムが開発されるまで>

ゾーンプログラムの開発者であるバリー・シアーズ博士が医学研究者、生化学者の視点から定義する真の健康とは、肉体的にも精神的にもトラブルを抱えず、一生ものとして許された時間を、フルにエンジョイしながら全うできる健康状態だと考えています。
真の健康を維持するためには、どんなにすぐれた医療制度があろうとも、ひとりひとりが正しい知識とノウハウを持って日々セルフケアにあたらなくてはなりません。
特に近年は、「肥満症」「2型糖尿病」「心臓疾患」「ガン」「うつ病」「アルツハイマー病」などの治療しにくい慢性病が非常に増えてきており、21世紀は慢性病の時代になると考えられています。
そんな時代だからこそ、各人が健康維持に留意し、病気を回避するための体のメカニズムについてよく知ることがとても重要になってきます。
シアーズ博士自身がゾーンプログラムという健康法を開発したのも、そもそも博士自身の健康に憂慮するところがあったからなのです。博士の家系では父親をはじめとして祖父や叔父の3人も、50代半ばで亡くなっています。その原因はすべて心臓疾患でした。
そのためシアーズ博士も、このままでは悪しき遺伝体質のゆえに、若いうちに心臓疾患でこの世を去るように運命づけられているのではないかと危惧していたのです。
そこで博士は、この悪しき定めから脱するために、健康に関する様々な研究を始めました。
コレステロールと心臓病の関係の研究に専心したり、分子生物学の研究を進めたり、ガンの薬品投与技術の開発などに日々を費やしたりしました。
このような経験を通じて博士が漠然とした予感した事は、心臓疾患の回避は薬物の投与ではなかなか難しく、それよりも日々の食事に解決の糸口があるのではないかということです。
博士が研究を続ける中でようやく一つの光を見出したそのきっかけは、1982年のノーベル賞のニュースです。
ベルイストレーム、サムエルソン、およびヴェインの3博士がエイコサノイドという局所ホルモンの作用の解明で医学・生理学賞を受賞したということです。
実はエイコサノイドとは非常に重要なホルモンで、このホルモンをコントロールすることができれば慢性疾患から多くの人を救えるのではないかとシアーズ博士は考え、その研究に没頭しました。そして博士は、日常の食事における主要栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂肪)のバランスを管理することでエイコサノイドのコントロールを実現しました。
このエイコサノイドというホルモンはゾーンプログラムの中でも重要な役割を果たしますが、なかなか聞きなれない名前かと思います。まずは、ホルモンというものが人間の健康に大きく影響しているということだけでも知って頂ければ幸いです。

  • 2015年02月02日(月)19時07分

「ゾーン」とは??ホルモンが適切な範囲(ゾーン)に維持されている状態のことです

バリー・シアーズ博士は、健康の維持には主に3つのホルモン、すなわちエイコサノイド、インスリン、グルカゴンが大きく関係していると発表しています。この3つのホルモンが適正にコントロールされていれば健康な状態を保つことができますが、この3つのホルモンのバランスが崩れると反対に慢性病などの病気が発症してしまいます。従って、生涯にわたってホルモンをコントロールすることが大切になってきます。
では、どうやってコントロールするかというと、その1つの手段として治療薬があります。世の中に出回っている抗炎症剤には、こういったホルモンコントロールに関わっているものがたくさんあります。しかしながら、薬は体に副作用を与えたり、少なからず毒性を持っていたりするので、生涯にわたって使い続けるのは理想的ではないようです。
そんな中で、唯一、生涯にわたって使い続けることのできる薬があります。それは「食べ物」です。
実は、毎食の食事のバランスをコントロールすることによって、ホルモンをコントロールすることができるのです。
ちなみに、ホルモンのコントロールに大きな役割を果たす栄養素は、人間の体の基礎となる三大栄養素、すなわち炭水化物、たんぱく質、脂肪です。これらの栄養素の割合が非常に大切であり、その比率をエネルギー比で炭水化物4、たんぱく質3、脂肪3に保つことで、ホルモンを適切にコントロールすることができます。
食事によりコントロールされたホルモンが、始終一貫して適切な範囲(ゾーン)に維持されている生理学的な状態を「ゾーン」といいます。
シアーズ博士がこの理論にもとづいて開発した「ゾーンダイエット」(炭水化物4、たんぱく質3、脂肪3の比率で食事を摂るというダイエット法)は、今やアスリート、ハリウッドのスターをはじめ、世界中の人たちが実践し、アンチエイジングダイエットに成功しています。しかし、そもそも、この食事法は肥満解消だけのために開発されたものではありません。この比率での食事を継続することは、心臓疾患や糖尿病などさまざまな慢性疾患の予防や改善につながります。
事実、シアーズ博士自身、このゾーンプログラムにもとづいた食事を1995年から5年間にわたって続けたところ、当時48歳の博士の心臓年齢は何と27歳と診断されるまでに至りました。それ以前は、不整脈を打ち、いつ時限爆弾が爆発してもおかしくなかったシアーズ博士の心臓が、実年齢の半分まで若返ったのです。

  • 2015年01月10日(土)19時27分

生化学的アンチエイジングの定義

アンチエイジングという言葉
耳にするとどのような言葉が浮かびますかはてなマーク

日本でのアンチエイジングというと
若返るというイメージが強いのではないかと思います

それはアンチエイジングが広まるまでの流れが大きく関係しています

アンチエイジングという言葉は
1980年代米国政府が予防医学に力を入れ
「ヘルシーピープル運動」といった
国家的な取り組みも生まれた際にできたようです


また、抗加齢医学の始まりは1990年7月
アメリカのRudman博士らによる
「60歳以上の健常男性を対象としたヒト成長ホルモンの臨床的効果」という研究が
「New England Journal of Medicine」に発表されてからだそうです

アメリカでは、ホルモン補充療法を中心に臨床研究が進み、
1992年に米国抗加齢医学会
(American Academy of Anti-Aging Medicine; A4M)が結成された
アンチエイジングが医学の一領域として認められたことを示され、
これを機にその考えが世界に広がったようです

一方日本国内では1998年頃より、
一部の美容形成外科医らが
「アンチエイジング」という言葉を使うことで

内科的な「抗加齢医学」としてのアンチエイジングではなく、
外面の“若返り”を主とした美容医療に対して用いられたことで
1999年頃より、化粧品、エステなどの美容業界と
一部マスコミの間でもアンチエイジングという言葉が使われ出したそうです

2000年4月に東京で行われた「第3回国際美容外科学会」で
アメリカのAnti-Aging Medicineが紹介されたことをきっかけに
その後、内科的な考え方に立つ「抗加齢医学」としての
アンチエイジングを日本においても確立していこうという動きが始まり、

2001年3月 日本抗加齢医学研究会設立(設立時の会員数50名)
同年に日本抗加齢医学会の第1回研究会が開催されました

2006年12月には「アンチエイジング」という言葉が
日本流行語大賞のノミネート・ワード60語の中に選ばれ
一般でも完全にアンチエイジングという言葉が認識されたのではないでしょうか


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そして、抗炎症食事療法アドバイザーとして
お伝えさせていただいている
シアーズ博士による生化学的老化の指標としている内容になります


アンチエイジングについての見解は
実年齢(誕生日で数える年齢)と
生物学的年齢を乖離させる(できるだけ離れさせる)ことです

老化を測る(生物学的年齢を決定する)生物学的指標を
決定することは難しく、ずっと研究されてきています


シアーズ博士はホルモンのパフォーマンスを
適正なゾーンに保つ事がアンチエイジングに必要なこととしています

老化とともに増すもの 
●インスリン抵抗
●最高血圧
●体脂肪率
●(血液中の?)脂質の割合


老化とともに減るもの
●耐糖能
●有酸素容量
●筋肉量
●体力、力
●体温調節
●免疫機能

     

抗炎症食事療法プログラムの目的は
老化の生物学的指標を以前のものに戻す(逆戻りさせる)こと

つまり、生物学的指標を以前のものに戻せば、
皆さんの体は実際の年齢よりも若く見える

それによって更に、物理的(身体的)そして精神的(頭脳的)能力を
以前のレベルに保つことができる

老化の生物学的指標は、
究極的には加齢に伴って起こるホルモンの変化により司られる

従って、加齢を逆戻りさせるための鍵は
ホルモンを変化させる能力である

ホルモンの正しいバランスははてなマーク
老化のプロセスを遅らせます


間違ったバランスははてなマーク
老化を加速させますあせる

食餌はホルモンのバランス、コミュニケーションを変化させる
強力な「薬」になります

だから食餌を正しく摂れば
ホルモンの伝達を改善し
老化のプロセスを逆戻りさせる事ができます

言い換えれば、間違った食餌の仕方をすると、老化のプロセスを加速するともいえます

ホルモンと上手に付き合うこと、
それが、アンチエイジングライフをおくるのに重要な鍵です

  • 2014年11月07日(金)19時12分

研究結果を正しく読む

• 米国心臓協会のオメガ6脂肪酸に関する科学諮問委員会は、オメガ6をもっと摂取するようにと勧めています。
「Circulation」という雑誌の2009年1月28日号に掲載された「オメガ6脂肪酸と心血管系死亡率」という記事をご覧下さい。
要約すると、著者達はオメガ6脂肪酸を大量に摂取しても問題ないと主張しています。


シアーズ博士の回答:
拝啓:私は大変興味深く米国心臓協会オメガ6脂肪酸に関する科学諮問委員会の記事を読ませていただきました。
しかしこの記事は、これまで行われた中で最大級の食事介入研究である
リヨンダイエット心臓研究に関して一切言及していません。
リヨンダイエット心臓研究では米国心臓協会推奨の食餌と、
それに比べオメガ6脂肪酸が非常に少ない食餌が比較されました。
研究の最後には、オメガ6脂肪酸を多く含む米国心臓協会の食餌をした人々に比べ、
オメガ6脂肪酸を非常に少なく摂ったグループは、
非致死的心臓発作も致命的心臓発作も70%減少していました。
科学諮問委員会において、この重要な研究とそれが心血管系死亡率と心筋梗塞に
与える影響について言及しないことは、
「現在のオメガ6脂肪酸摂取量はアメリカ人にとって安全である」という結論の
説得力を大いに弱めることになります。

• コーヒー:私達にとって良いか悪いか?最近の2つの研究では
それぞれ異なる結果が出ています。
• かつてホルモン治療は女性を心臓疾患から守ると考えられていましたが、
今はそうではないと言われています。
• 見出し:「大手製薬会社の研究によれば、50歳以上の人は全員、
生涯に渡り毎日スタチンを服用すべきである」-私はスタチン欠乏症でしょうか?

さまざまな研究や、今まで公にしていたことが変わることもあります
情報に惑わされるのではなく食べ物で健康をコントロールできるということを知ると
目の前の情報に困惑されることはなくなります
情報によって健康を翻弄されるのではなく
健康は自分でコントロールしていきましょう

  • 2014年04月15日(火)14時24分

「フィッシュオイルは前立腺ガンのリスクを上昇させる可能性がある」??

とある研究の実証:「フィッシュオイルは前立腺ガンのリスクを上昇させる可能性がある」

シアーズ博士のコメント:魚の摂取やオメガ3脂肪酸サプリメントの摂取が前立腺ガンを増やすという仮説にはデータによる裏付けがありません。
もしそれが真実であったとしたら、世界で一番多く魚を食べている日本人の多くが前立腺ガンでなくなっているはずです。
しかし日本人は、前立腺ガンの発症率も死亡率も世界で最も低い民族の一つです。

  • 2013年12月22日(日)14時09分
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