◆ アンチエイジングについての見解
アンチエイジングとは、実年齢(誕生日で数える年齢)と生物学的年齢を乖離させる(できるだけ離れさせる)ことです。つまりAging(老化)を遅らせ、最高の健康状態(オプティマルヘルス)を目指すことです。では、老化とは何でしょう? 今、医学界では、老化の根本原因は「細胞レベルでの炎症」とする説が認められつつあります。
その他にも、「ホルモン分泌の低下」「異所性脂肪*1」「活性酸素(フリーラジカル)による酸化」「細胞分裂(テロメア)の減少」「有害物質・老廃物蓄積」「遺伝」「ストレス」など様々な要因があるとされています。
*1:異所性脂肪 → 3)抗炎症の項を参照
◆ 老化を測る生物学的指標
老化を測る(生物学的年齢を決定する)生物学的指標を決定することは難しく、ずっと研究されてきています。バリー・シアーズ博士は老化を測る生物学的指標として以下の項目を挙げています。
老化とともに増すもの | 老化とともに減るもの |
● インスリン抵抗
● 最高血圧
● 体脂肪率
● 血液中の脂質の割合
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● 耐糖能
● 有酸素容量
● 筋肉量
● 体力、力
● 体温調節機能
● 免疫機能
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◆ アンチエイジングにおける抗炎症食事療法プログラム
アンチエイジング(=実年齢と生物学的年齢を乖離させること)は、以上のような老化の生物学的指標を以前の数値に戻す(逆戻りさせる)ことでなされます。
つまり、生物学的指標を以前の数値に戻せば、体は実際の年齢よりも若く見え、物理的(身体的)そして精神的(頭脳的)能力も以前のレベルに保つことができます。老化の生物学的指標は、究極的には加齢に伴って起こるホルモンの変化により司られるため、加齢を逆戻りさせるための鍵はホルモンを適正範囲内にコントロールすることです。
抗炎症食事療法プログラムは、食事によりホルモンをコントロールすることで炎症を減少させるだけでなく、食事によりホルモンをコントロールすることで、ホルモンが司る老化の生物学的指標を以前の数値に戻し、アンチエイジングを可能にします。
◆ 食事とホルモン
ホルモンが正しいバランスに保たれていると老化のプロセスは遅くなり、ホルモンのバランスが崩れると老化が加速します。食事はホルモンのバランスや伝達の精度を変化させる強力な「薬」になります。ですから、食事を正しく摂ればホルモンのバランスや伝達の精度を改善し、老化のプロセスを逆戻りさせる事ができます。言い換えれば、間違った食事の仕方をすると、老化のプロセスを加速するともいえます。ホルモンと上手に付き合うこと、それが、アンチエイジングライフを送るのに重要な鍵です。
【ポイント】
バランスの取れた食事はホルモンをコントロールして老化のプロセスを遅らせることができ、間違ったバランスの食事はホルモンのバランスを乱し老化を加速してしまいます。
◆ 食事の重要性
中国に発し、日本をはじめアジアに広まった「医食同源」という思想がありますが、これは、医薬と食事は根源を同じくする、つまり、正しい食品の摂り方をすることが病気を予防、治療する最善の策であるという思想です。原因(食品の摂取)と結果(体調)の間に存在する因果関係(生化学的メカニズム)を解明し、食が人体にもたらす強力な影響力を正しく活用することが大切です。
◆ 一度の食事が体に影響を与える時間
一度の食事で摂取された三大栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂質)は4時間~6時間にわたって、体内のホルモンに影響を与え続けています。 ただし、一度の食事がホルモンに影響を与える時間は4時間から6時間ですので、その次の食事が前の食事と異なれば、その食事に応じた新たな影響がホルモンに与えられるという体の仕組みがあります。
今あなたが口にしたものはエネルギー源になるだけでなく、10年後のあなたまで創っていくのです。
◆ アンチエイジングのキーワード
1)抗酸化
人間は酸素を吸って生活をしています。酸素は体の中で栄養素と結びついてエネルギーを作り出します。ところが体に入った酸素がすべてエネルギーを作るために使われればよいのですが、使われなかった一部の酸素が活性酸素となり、体の中のいろいろな部分を酸化させてしまいます。言い換えると、体が「さび付いた状態」になるということです。一度酸化が始まると、連鎖反応でどんどん進行してしまいます。体の中がさび付くと正常な働きが出来なくなり、老化や様々な病気につながっていきます。体をさび付かせないようにする作用が「抗酸化作用」(酸化を抑える作用)と言えます。老化につながる酸化を防ぐこと、すなわち抗酸化作用を持つ成分を摂ることがアンチエイジングに役立つと言われています。
2)抗糖化
糖化反応(glycation)は1912年にLC Maillardがアミノ酸と還元糖を過熱すると褐色の色素が生成することを発見したことから、「メイラード反応」として知られるようになりました。メイラード反応によりAGEs(Advanced Glycation End Products:糖化最終産物)が生成されます。1990年以降AGEsが糖尿病性血管合併症、動脈硬化、アルツハイマー病など、多くの疾患病変部に沈着していることが確認されました。これらの病変部でのAGEs蓄積が、その病気の直接因子なのか、単に病態の結果を反映しているのかは今もなお明確にはなっていませんが、多くの研究の中でAGE受容体との反応が病変の発症・進展に必須な役割を果たしているといわれています。この糖化反応を防ぐことがアンチエイジングにつながると考えられています。
3)抗炎症
肥満、老化の原因は「慢性的な炎症」です。脂肪は通常「皮下」と「腹腔内」に存在します。しかし、脂肪の蓄積が進むと以下のようなことが起こります。脂肪組織の肥大化→悪玉エイコサノイド(炎症性ホルモン)が炎症性マクロファージやリンパ球を呼び寄せる→脂肪細胞?を崩壊→血中に遊離脂肪酸を放出→肝臓や筋肉、その他の臓器に脂肪が蓄積(異所性脂肪)→全身で脂肪組織の肥大化→全身で炎症(脂肪毒性)が起こる。さらに怖い“毒性脂肪症候群”は、全身の脂肪毒性により、アレルギー、喘息、自己免疫疾患、心疾患、糖尿病、癌、アルツハイマー病、うつ病などなど様々な疾患を引き起こしてしまいます。このように老化の原因となる慢性的な炎症を防ぐ、または改善することがアンチエイジングにつながります。
★カロリー制限や絶食は脂肪分解を早い段階で誘導するが、脂肪組織の自然炎症を誘発してしまう。→異所性脂肪がさらに蓄積しやすい体になってしまう。
!!抗酸化、抗糖化、抗炎症は毎日の食事で実現可能!!
糖化、炎症に関わるホルモンをコントロールし、抗酸化作用のある食材を摂り入れることでエイジングをコントロールします。
ZONE抗炎症食事療法は一般社団法人アンチエイジング学会でも導入されています
https://anti-aging.jp.net/
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