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2003年シアーズ博士は、教育と医療研究プロジェクトを援助するための非営利財団Inflammation Research Foundation (略称IRF:炎症研究財団)を設立しました。シアーズ博士は30年以上前から食事がホルモン・遺伝子発現・炎症に与える影響などを研究をしており、その中で真の健康への鍵は慢性炎症のコントロールであると確信し、研究発表、普及活動をしております。徐々に世の中でも炎症が慢性的な病気の原因であると認識され始めたものの、慢性炎症のコントロールに対する無力さを感じ、多くの方の手助けになるようこの財団を設立しました。段々と炎症について認知され始め、2004年に「タイム」誌が「隠れた死因: 心臓疾患、癌、アルツハイマー病、その他慢性疾患における炎症の役割」という特集記事を掲載したにもかかわらず、現在も続くこれら疾患の蔓延に対しほとんど何の対策も講じられていないという現実があります。
Inflammation Research Foundationは、主にシアーズ博士から寄せられる寄付により、炎症に関連する慢性疾患を管理するための新しい栄養学的介入の使用を目的とする短期的臨床研究を援助しています。政府から資金援助を受けられる範囲は非常に限られているため、研究者達が将来的に政府からの援助を得るための予備データを収集するのにこの財団を資金源とすることができます。更に、この財団は研究の範囲に関して研究者に比較的大きな裁量を与えています。シアーズ博士の周囲には、抗炎症栄養学に大きく貢献できる専門知識を持つ研究者達がおり、その中の何人かが科学諮問委員会を構成しています。これまでにIRFから発表された研究論文は、シアーズ博士個人の長年にわたる研究と、Inflammation Research Foundationの医学界への貢献がもたらした結果です。
Inflammation Research Foundation は2003年に創設され、様々な代謝性疾患、神経疾患治療のための抗炎症食事療法に関する研究を発表してきました。この財団は、創設者であるバリー・シアーズ博士がすべての管理費を負担しているという点において独特です。従って財団に寄せられる寄付の100%が研究プログラムに充てられています。
◆ 創設者からのメッセージ
私は30年以上前、医学の未来は特定の病気に効く新特効薬の開発にあるのではなく、炎症を適正な範囲(ゾーン)に保つことのできる一般的な食事プログラムの開発にあることに気づきました。そのような食事プログラムがあれば、私達の体は、微生物の侵入から身を守ったりケガの治癒を助けたりするのに十分な炎症反応をすることができ、かつ、自分自身の臓器を攻撃し若いうちから慢性疾患を引き起こす過剰な炎症反応を予防することができます。
抗炎症栄養学がホルモンと遺伝子発現に与える影響力に対する私達の理解は劇的に進歩したにも関わらず、その知識の医学界と一般の人々への伝達は無視されてきたように思われます。
私が10年以上前にInflammation Research Foundationを設立した目的は、基礎となる臨床研究に着手するためでした。というのも、政府は、従来とは違う方法があると実証するための研究に資金を援助し、それらの研究を論文審査のある専門誌で発表することに関心がないように思われたからです。今日までにInflammation Research Foundation から17以上の研究論文が査読を経て発表されており、私達が直面している最も治療の困難な慢性疾患のいくつかに対処する新たなアプローチが可能であることを実証しています。
ヒポクラテスが「汝の食事を薬とし、汝の薬は食とせよ」と述べた現代医学の始まりに回帰するための私達の活動は、皆様の援助により支えられています。約2,500年前に示されたこの見識を21世紀の抗炎症医学の土台にすることがInflammation Research Foundationの使命です。
Inflammation Research Foundation会長
バリー・シアーズ博士
◆ シアーズ博士について
バリー・シアーズ博士は、炎症のコントロールにおける食事の役割を理解するための質の高い臨床研究が必要であると感じ、それを実現するため2003年にInflammation Research Foundationを創設しました。シアーズ博士は、食事によるホルモンと炎症反応の調整の分野において世界トップレベルの研究者の一人であり、抗炎症栄養学の基礎を築いた人物と見なされています。30以上の科学論文を発表し、ニューヨークタイムズNo.1ベストセラーとなった”The Zone”を含む、抗炎症栄養学に関する本を14冊出版しています。また、ドラッグ・デリバリー技術の分野、ホルモン反応の食事による調整の分野において13の米国特許を所有しています。
シアーズ博士の科学的経歴の詳細についてはこちら
◆ 科学諮問委員会
Zone Labsにおける研究はシアーズ博士を中心に行われますが、バイオテクノロジーにおける最新の発見に関する研究を行うために、私達は様々な分野の専門家から成る科学諮問委員会を大いに活用しています。
Carol Johnston 博士
アリゾナ州立大学の栄養学教授であり、IRFでは栄養学プログラムのディレクターです。彼女は2004年、栄養学における目覚ましい業績を収めた50歳未満の科学者に米国栄養学会から与えられるグレース・ゴールドスミス賞を受賞しました。また、学術的業績に対し2008年には同じく米国栄養学会からマーク・ビーバー・プロフェッショナル賞を受賞しました。彼女の研究分野には、肥満と糖尿病におけるビタミンCと食事介入などがあります。75以上の科学論文を発表しています。
Charles Serhan 博士
エイコサノイド生化学における世界的第一人者の一人で、炎症の消散におけるレゾルビンの役割の発見者です。ハーバード大学医学部麻酔学科の教授であり、Brigham and Women’s Hospital では、実験治療学と再かん流傷害のためのセンターのディレクターを努めています。400以上の科学論文を発表、5冊の本を執筆し、200以上の特許を取得しています。