美と健康が得られる理由
◆ 抗炎症食事療法で美と健康が得られる理由
ダイエット始める前に
ダイエットという言葉を耳にすると、私たちは食事制限、カロリー*1制限、ハードな運動などを連想しがちですが、どのような理由で体重が増えるのか、食事により体内でどのような反応が起こっているのかということを正しく理解し、細胞レベルで意識すると、体は正しく応えてくれます。痩せるも痩せないも、美も老も、健康も不健康も、全ては今あなたが口にするもの次第なのです。
正しいダイエットとは?
カロリー制限、食事制限、過度な運動では、不要な脂肪は落ちません。却って体に必要な水分、筋肉などが失われてしまい、不健康な体、見た目にも老けた体をつくってしまいます。正しいダイエットとは、体に必要な水分、筋肉、骨、臓器などをきちんと維持しつつ、不必要な脂肪を落として体重を減らすことです。
体をつくっているもの
私たちの体は、60兆個とも100兆個ともいわれる膨大な数の細胞からできています。それぞれの細胞が最適な働きをするためには、日々口にするものからバランス良く栄養を摂取し、ホルモンのバランスを最適に整える事が大切です。ホルモンのバランスは、すべての内臓の状態や免疫力から心の健康、肌、ボディーラインにまで影響します。また、もうひとつ重要なのは、食べたものが遺伝子にまで影響を及ぼすという事です。遺伝子は、バイタリティから病気のリスク、老化のスピードに至るまで、人生のすべてに関与しています。つまり、口にするものがホルモンバランスを左右し、細胞の状態、遺伝子、心身の状態をつくっていくのです。
美と健康とダイエットのコツ
美と健康とダイエットのコツは、肥満、老化、病気の根本的原因である細胞レベルでの炎症を抑えることです。細胞レベルでの炎症といわれると、難しく感じるかもしれませんが、食事の栄養による、「血糖値コントロールとホルモンコントロール」によって抑えることができます。この方法さえ理解すれば、細胞レベルでの炎症を防ぎ、老化と病気の根本的なケアをすることにつながるため、美しく、いきいきと過ごす事が可能になるのです。
美と健康を保つために
血糖値とホルモンをコントロールすることで、細胞を傷つけないだけでなく、毒性脂肪を減らすことで不必要な脂肪を減らして、体重も減らすことができるのです。決して無理な食事制限、カロリー制限、過度な運動をする必要はありません。「太らない、老化しない」ために必要なキーワードは血糖値コントロール、ホルモンコントロールです。
低カロリー系食品、食事制限がもたらすトラップ
低カロリー系食品の摂取や食事制限を続けていくと、体は栄養飢餓状態になり、食べたものを一気に吸収し、蓄えた脂肪は燃やさずキープしようとします。また、急激な糖質の吸収は大きな血糖値の変動をもたらし、しわやしみ、老化などの体内時計を早めます。低カロリー系食品と食事制限は、脂肪を溜めやすく燃やしにくい体をつくるだけでなく、老化を早める原因ともなるのです。
◆ 脂肪を燃やすために、溜めないために
そもそも、脂肪を燃やすため、溜めないために必要な事はなんでしょうか? 毒性脂肪を溜めないことと細胞の炎症を抑えることです。
細胞の炎症
炎症には2種類あります。一つは、ケガをしたときや体内にウイルスが侵入したときなどに起こる、外的な要因によるものと、もう一つは、静かなる炎症といって本人が自覚することのないまま長年にわたって続く、痛みを感知するレベルに達しない細胞の炎症があります。この静かなる炎症は臓器の障害が起きてようやく気づくという、危険な炎症です。この炎症の原因と進行には毒性脂肪と呼ばれるものと深い関係があります。
毒性脂肪
毒性脂肪とは、過剰なアラキドン酸*2が変化したものです。通常、脂肪は脂肪組織の中でカプセルのようなものに閉じ込められているのですが、毒性脂肪は、脂肪組織から血液中にあふれ出してしまい、知らず知らずのうちに臓器や血管で体内炎症を引き起こし、その結果として、数々の重大な病気の原因を作ってしまいます。
〔毒性脂肪ができるメカニズム〕
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通常、体の中で余った脂肪はカプセルのような脂肪細胞に閉じ込められ、皮下脂肪として体内に蓄えられます。 |
皮下脂肪の脂肪細胞の容量が一杯になると、内臓脂肪に蓄積されます。 |
さらに脂肪が増えると、脂肪細胞のカプセルからあふれだし、血管を経由してあらゆる臓器に広がります。 |
毒性脂肪を減らす、溜めないコツ
(1)三大栄養素のバランスを整えホルモンコントロール、血糖値コントロールをすることで細胞レベルの炎症を防ぐ。
食事がからだに与える影響
栄養のバランス | 主なホルモンの変化 | その他の変化 |
炭水化物が多め | インスリン過剰生成 | 脂肪の蓄積 |
適正バランス(ZONE) | インスリンとグルカゴンのバランスがとれる | 炎症性脂肪の減少 |
たんぱく質が多め | グルカゴン過剰生成 | コルチゾールの増加 |
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(2)細胞の炎症と毒性脂肪の材料となる油、オメガ6系脂肪酸の摂取を減らし、オメガ3系脂肪酸の摂取を増やす。それにより血糖値とホルモンをコントロールし、毒性脂肪の生成を抑え、毒性脂肪を減らすことができます。また、オメガ3系脂肪酸は体の様々な機能を正常に保つエイコサノイドというホルモンをコントロールするためにも、重要な役割を持っています。
【ポイント】体にいい油を味方に
油というと、すべて体脂肪に直行してしまうという誤解があります。むしろ脂質(油)より炭水化物の方が体脂肪に直結する事を忘れずに。また、脂質を単純に動物性と植物性の2つに分け、前者は悪い油、後者はヘルシーと言葉のイメージで判断するのは大きな誤解です。脂質(油)は、人体の生理作用にとって必要不可欠な材料となるので、日常的に、体にいい影響を与えると言われている一価不飽和脂肪酸とオメガ3系多価不飽和脂肪酸を積極的に取り入れてバランスを整えてください。
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注1*カロリー
摂取する食物から得られる栄養学的熱量と、運動や基礎代謝によって消費される熱量。
注2*アラキドン酸
体の様々な機能の調節に大きな影響力を持っている、エイコサノイドというホルモンがあり、アラキドン酸は悪玉エイコサノイドの材料になります。つまりアラキドン酸が多いと悪玉エイコサノイドも多くなってしまい、細胞の炎症を起こしてしまうのです。 |